東レの不織布
東レの不織布について詳しくご説明します。
東レの不織布とはABOUT NONWOVENS
不織布の製法や用途など、
私たちの生活のあらゆるところで使用されている不織布について、わかりやすくご説明します。
不織布の基礎情報
不織布とは、織ったり編んだりせず、糸を結合させたり絡ませたりしてシート状にしたものです。


不織布の特徴
薄く柔らかいものから、厚くて剛直なものまで密度・厚み・硬さのバリエーションが豊富です。そして格段に生産性が高いことが特徴です。
不織布 | 織物 | 編み物 | |
---|---|---|---|
糸の状態 | 1本ずつ独立 | 糸の束を撚りなどで拘束 | 糸の束を撚りなどで拘束 |
シート化方法 | 接着や絡合 | 経糸と緯糸を一定の規則で交錯 | 糸のループを連続的につなぎ合わせる |
生産速度 | 500m/分(スパンボンド法) | 0.4m/分(標準的タフタ) | 1.2m/分(代表的トリコット) |
目付変更など | 容易 | 糸・組織準備が必要 | 糸・組織準備が必要 |
不織布の製法
不織布の製法には、大きく分けて、ウェブ形成工程と、繊維間結合工程があります。

1ウェブ形成工程
1. 乾式法

捲縮の掛かった短繊維(~100mm)をカードで機械的に開繊し、均一に配列する工程(カード法)です。崇高な製品の生産が可能です。エアーで開繊、積層させるエアレイド製法も存在します。
2. 湿式法

0.5~6mmの短繊維を、水中に分散させて、和紙のように漉き上げて配置します。低目付で均一性の高いシートが生産可能です。
3. スパンボンド法

樹脂ペレットを溶融させ紡糸し、繊維を切らさずにコンベア上で積層させシート化する方法です。連続した繊維で構成されている為、引張り強度の高いシートが得られるのが特徴です。また、他の製法に比べ生産性が高く世界で一番生産量が多い不織布製法になります。
4. メルトブローン法

樹脂ペレットを溶融させ、熱風とともに吹き出してシート化する方法です。自己融着し、ウェブ形成と繊維間結合が同じ工程で行われ1パスでシート化できる製法です。非連続繊維で構成され、緻密で柔軟なシートが得られます。
2繊維間結合工程
1. サーマルボンド
■ ヒートロール

ヒートロールで熱を加え、ウェブを構成する繊維同士を接着させる方法で、最も一般的な繊維間結合(シート化)です。乾式ウェブを用いた場合は、サーマルボンド不織布と呼ばれます。
■ エアスルー

ウェブをオーブン内を通過させ、熱風により繊維間接着させます。崇高で柔らかい風合いに仕上げることが可能です。
2. ケミカルボンド(レジンボンド)
■ スプレー法

崇高に仕上げることが可能な製法で柔らかい風合いを損なうことなく強度アップが可能です。また、スプレーにより繊維の性能以外の特性付与が可能です。
■ 含浸法

樹脂等を染み込ませることで、強度を上げ、繊維ならではの毛羽立ちを抑制することができます。繊維の性能以外の特性付与も可能です。また、バインダーとの馴染をよくするため、基本的にはレーヨン等の浸水性のある繊維を混綿します。
3. ニードルパンチ

ウェブに針を打ち込み、繊維同士を絡ませてシート化する製法で、密度や風合いの調整幅が広く、使用用途に合わせて柔軟に対応することができます。高目付、高強度な製品の生産が可能で、厚み方向のクッション性に優れています。
4. 水流結合(スパンレース)

高圧水流によって、繊維同士を絡ませます。表面平滑性が高く、しなやかでドレープ性に富んでいます。また、低目付でも地合の良い製品の生産が可能な製法です。
主な用途
不織布は数多くの分野で使用されています。

土木資材
- ・盛土補強基材
- ・遮水シート
- ・防草シート

建築資材/住宅資材
- ・屋根下基材
- ・ハウスラップ
- ・カーペット基材
- ・壁紙

医療資材
- ・医療用ガウン
- ・医療用マスク
- ・医療用機器包材

生活資材
- ・おむつ
- ・マスク
- ・湿布材
- ・収納用包材
- ・生活雑貨

農業資材
- ・べたがけシート
- ・遮光シート

自動車資材
- ・カーシート
- ・内装材
- ・フィルター

空調フィルター/オフィス機器
- ・空調フィルター
- ・OA機器

産業資材
- ・排気フィルター
- ・濾過フィルター